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電気透析装置
溶解中のイオン性物質と、イオン交換膜が陽イオンと陰イオンを選択して透過させる性質を利用する分離技術を利用して、水に溶けているイオン成分(ナトリウム、カルシウムなどの無機塩類やアミノ酸など)を濃縮したり反対に除去する電気透析。電気透析では、イオン交換膜と電気の働きで溶液中のイオン性物質を分離し、脱塩・濃縮・精製・回収を短時間で処理することが可能です。
この電気透析は電気分解と異なり、低電流通電による透析ですから、電気使用によるコストは安価です。以下にてその用途と、基本的な機能の説明を行っております
電気透析の用途
用途例1 食品加工調味料のリサイクル使用
調味料を使用する食品加工は塩分濃度を調整することで、調味料のリサイクル使用が可能になります。 代表例として挙げられるのは、梅干加工調味液の塩分調整など。食品加工調味液は廃棄すればただのゴミですが、再利用を行えば原材料として新しい活用の道を開くことができます。 環境規制強化が強く叫ばれる中、これらのリサイクル原料を食品加工工程に組み込むことで、経費削減、環境保全が実現します。
用途例2 甘味料製造プロセスにおける食塩の除去
オリゴ糖や分子量の小さい単糖、二糖に対しても、電気透析は高い回収率を誇ります。 糖の濃度が高い場合、回収率はより高くなります。
用途例3 各種たんぱくからペプチド製造
アルブミンから食塩除去。ペプチド製造の脱塩。酵素工場の脱塩が可能です。 ※たんぱくなど膜吸着によるロスが改善するイオン交換膜が新規に開発されました。
用途例4 減塩醤油の製造(アミノ酸の塩分調整)
醤油のうまみ成分、こく等を損うことなく塩分のみを任意に調整することが可能。 塩分を調整することで醤油の用途を広げることができます。
用途例5 果汁などの酸度調整
果汁の含まれている有機酸濃度を任意に調整し味の改善ができます。
用途例6 安全な飲料水の製造
かん水(塩分を含む地下水)を脱塩し、飲料水を製造。また、地下水に含まれる有害な 硝酸性窒素の除去した安全な水道水の製造など、様々な用途に活躍しています。
電気透析の基本的な仕組み
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STEP1.
塩を含む溶液に電極からの電流を流すと、溶液中の陽イオンと陰イオンは、
それぞれ反対の電位を持つ極へと集まります。 -
STEP2.
両方の電極の間に、陽イオン交換膜を入れると、陰イオンは陽イオン交換膜を通過できず一方向に留まりますが、陽イオンは交換膜を通過することができます。交換膜の電荷を逆にするとその反対の現象が起こります。
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STEP3.
電極の間に、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に入れ、隔壁として用います。そこに塩やアミノ酸などを含む溶液を流し込み、電流を通すとそれぞれのイオンの移動が起こります。これにより陽イオン・陰イオンの濃縮される流れと、除去される流れができあがります。
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STEP4.
この流れができることにより、流れの出口付近では塩やアミノ酸の濃縮された水と、除去された水が得られます。